Kill'em All 1983

メタリカの1stです。当時は、たいていの人がこの音を聴いて、顔をしかめたものです。まだ、スラッシュメタルなる言葉もない時代・・・その暴力的で、猛然と突っ走るそのスタイルはまさに、アングラでした。
確かに、このアルバム・・・ひたすら荒々しいです。・・・が、ラーズが聴いて育った
NWOBHMの影響が色濃く感じられます。今だからこそ言えるのかもしれないけど、激しい曲の群れの中にあって、時折飛び出すハッとするメロディ・・・これは、メタリカが知らず知らずのうちに身に付けていたのかもしれません。今の彼らは、そんな自分たちのルーツ的な音楽をうまく消化してコントロールする術を身に付けたんでしょうね。

一部では、このアルバム・・うるさいだけ・・とか、クソだのカスだのぼろくそ言われてましたが、そんな人たちはその後の成功をどんな目でみていたのでしょうね(笑) ギターリフのかっこよさなんか特筆すべき点は多々ありますよ。今もライブで演奏されるHのリフなんて、鳥肌もん!!Aのサビなんかのボーカルラインもハッとさせられますし・・・Dはクリフ・バートンのベースソロ!もう、いっちゃってます(笑)サウンドプロダクションはひどいし、ジェイムスのVoも・・・さすがに若い(笑)でも、その後の
活躍の布石となったアルバムである事は間違いないですね。

1. Hit The Lights
2. The Four Horsemen★★
3. Motorbreath
4. Jump In The Fire
5.
(Anesthesia)Pulling The Teeth
6. Whiplash★★
7. Phantom Lord
8. No Remorse
9. Seek And Destroy★★
10. Metal Militia
Ride The Lightning 1984

2NDにして、いきなりの変貌を遂げた彼ら・・・1stでファンになった人はまず、@のイントロのアコースティックギターの美しい旋律にこけたことでしょう(笑) しかし!その後にくるリフの嵐!!音の洪水です、これは!1stにはなかった音の厚みが100倍パワーアップしてます。
そして、速さだけを求めるファンをあざ笑うかのような曲のバリエーション!先述の@のスピードと音圧・・重さに比重を置いた名曲B・・なんと美しすぎるバラードのC・・ポップなE・・永遠のメタリカアンセムF・・重厚でシリアスなインストのG・・どの曲も、それぞれにカラーが際立ってます。もう、これは大げさじゃなくてHM名盤と呼ぶにふさわしい。!!(当サイト・・永遠の名盤参照 笑)

彼らは、この時点でもう、後続のスラッシュバンドを置き去りにして、メタリカというジャンルを築いてしまっていたのかもしれませんね。このアルバム・・チャートにおいてはブレイク寸前となるのでしょうが・・・私論としましては、このアルバムこそが、
メタリカ第二幕のオープニングなのでは?と思わずにいられないっすね。


1. Fight Fire With Fire★★
2. Ride The Lightning
3.
For Whom The Bell Tolls★★
4. Fade To Black★★
5. Trapped Under Ice
6. Escape
7. Creeping Death★★
8. The Call Of Ktulu
★★
Master Of Puppets 1986

彼らを一躍、地下から地上へと押し上げた3rd。音的には、基本的に2ndの延長線上にあります。ただ、スピードナンバーと引きずるようなヘビーナンバーとのメリハリがより強くなっています。
前作同様、@のはじまりは、またまた鳥肌もんのかっこよさ!そのインパクトたるや、当時多感で純朴な少年だった(笑・・うそかも)わたくしめの日常生活に影響を与えるくらい凄かった(爆)  Aは、もう至上の名曲・・・Bはどうしようもないくらい重く・・・Cは美しくも、重い・・・Fはクリフのベースが物悲しい・・・Gは全てを壊すかのような危険さがある・・こう聴いていくと、やっぱ彼らの生命線は曲!そして、リフのかっちょよさ!これですよ、やっぱ・・・

しかし、レコード会社のプロモーションもなく、ラジオ局からも嫌われ、ビデオクリップも持たない彼らがなぜ、あんなに売れたのか?答えは
「口コミ」!!前作、前々作から延々と続けられた地道なツアー・・・その素晴らしさによって、ファンがファンを呼び、全米に広がっていったんですよ。「アングラの帝王」なんて、今では使い古された笑えるコピーも、こう考えると現実的ですね。

そうして、ついに日の当たる世界に這い上がってきた彼らですが・・・突然、ベーシスト・クリフ・バートンの事故死という衝撃的な出来事が起こってしまいました。今でも、このアルバムの「Orion」・・そして「Master Of Puppets」の中間部を聴くと、彼の凄さを想い、胸が締め付けられます・・・
1. Battery★★
2. Master Of Puppets★★
3.
The Thing That Should Not Be
4.
Welcome Home(Sanitarium)
5. Disposable Heroes★★
6. Leper Messiah
7. Orion★★
8. Damage,inc.
★★
...And Justice For All 1988

当時、このアルバムが発売された時、誰もが「なんじゃ〜?このドラムの音は?」と、ひっくり返ったはず・・・、前作でついに日の目を浴びた彼らが、どんな作品を出すのか、世間の注目を浴びる中・・・見事に裏を書いた作品となりました。

機械的な展開重視のその作風には、多くの人がとまどったはず・・複雑なリズムチェンジを繰り返し、その緊張感をもって、聴き手をねじ伏せる・・・前作までスピードと圧力でねじ伏せられてきた聴き手にとっては、この作風を最初どうとらえていいものかわからなかったのですよ。そのプログレッシブな方法論を、とやかく言う人もいますが、今振り返って見ると、この作品に影響を受けたと思われるバンド(作品)がこの後、にょきにょきと現れてきたのも事実。そういう新しいHMの方法論を提示したという意味では、これは歴史に残る名盤といえるかもしれません。

@の脳をかき混ぜるかのような凄まじさ、Aのこれでもか!的なリズムチェンジ、Bの緊張感、Cの感動・・あたま4曲のインパクトは強烈なパンチをくらったかのようでしたね。ただ、反して後半は少し曲が弱いのか・・だれぎみなのが残念!冒頭でも触れましたが、スカスカのドラムの音、ベースを完全にギターとシンクロさせる事によって生じた、やたら分離のいい音も、聴きこむと気にならないのが不思議・・

残酷な言い方かもしれませんが、クリフを失った事で逆に新たな方向へ向かって突き進む事、あるいはクリフの影を完全に消し去った事を宣言したかのような彼らのその姿勢には、あえて賞賛を送りましたね、わたしは・・
1. Blackend ★★
2. ...And Justice For All★★
3. Eye Of The Beholder
4. One★★
5. The Shortest Straw
6. Haevester Of Sorrow
7. The Frayed Ends Of Sanity
8. To Live Is To Die
9. Dyers Eve
10.The Prince
Metallica 1991


問答無用の彼らの5THアルバム・・もういうまでもなく全世界で売れに売れまくった、正真正銘のモンスターアルバムです。もはや、スラッシュメタルという音は微塵もなし〜。その重いリズム・・っつうか、
グルーブをおもいっきり意識したサウンドの凄みに、我々ファンは反論する余地も与えられなかった・・てのが正直な感想ですね(笑)
今まで、彼らが築き上げてきたサウンドをかなぐり捨てて、ここまで、濃厚な音作り、秀逸な楽曲を並べられたら、文句の言葉も出てこない。もう拍手喝采しかなかったですね〜〜。

スラッシュ然と突っ走る曲は皆無・・でも、その独特のグルーブはこの後、再び多くのフォロワーたちを産み落としたものです。もはやメタリカは、このアルバムで、この時代のメタルバンド・・いやロックバンドの頂点にたった・・とも言えるのではないでしょうか?

正直、自分としては「Master・・」「Ride・・」アルバムのほうが好きですが、このなんか神聖さすら感じるこのアルバムの存在意義は認めざるを得ないっすね。
1. Enter Sandman★★
2. Sad but True
3. Holier Than Thou
4. Unforgiven★★
5. Wherever I May Roam
6. Don't Tread on Me
7. Through the Never
8. Nothing Else Matters★★
9. Of Wolf and Man
10. God That Failed
11. My Friend of Misery
12. Struggle Within
★★
Load 1996

今・・振り返ると、このアルバム・・・世間で叩かれてるほど、悪くない。というより、これと次作を叩いた人ってのは、メタリカにこれをやってほしくなかった・・という愛情の裏返しだったのかもしれないっすね。考えてみれば、前作「ブラックアルバム」でメタルの方向性を示した彼らとして、前作の延長線上でこのアルバムを出したってのも、全然不思議じゃないんですよね。

さらに、グルービー度がアップしたこのアルバム・・さらにその音楽性が更に拡散して彼らの懐の深さというものをまざまざと見せ付けてくれました。
ジェイムスのVoにも、深みが加わって・・これが「Kill'em All」でのVoと同じ人物か?と思えるほどです(笑)

し・か・し・・・メタリカのやることについてゆく!と誓った私としても、「ほんとに興奮できる曲」は@くらいかもしれない(涙)

で・・曲数が多すぎ・・・・
1. Ain't My Bitch★★
2. 2 X 4
3. House Jack Built
4. Until It Sleeps★★
5. King Nothing
6. Hero of the Day
7. Bleeding Me
8. Cure
9. Poor Twisted Me
10. Wasting My Hate
11. Mama Said
12. Thorn Within
13. Ronnie
14. Outlaw Torn
Reload 1997

正直・・・このアルバムに関しては書くことがないっす〜〜。(汗)・・・前作「Load」とまったく同方向を向いたアルバムですものね。っつか、もともと2枚組みで出す予定だったから当たり前ですけど・・・。

ん〜〜「Load」まではなんとか我慢できたけど、これは・・・やっぱきついわ。いや、内容が最悪・・っつうのではないんですよ。この重苦しいグルービーメタリカにはもう
お腹いっぱい。どうせなら、「Load」「Reload」をまとめて、厳選した10曲で一枚のアルバムを出したほうがよかったのでは?と、偉そうなことをぬかしたくなるのです・・はい(涙)
1. Fuel★★
2. Memory Remains★★
3. Devil's Dance
4. Unforgiven II
5. Better Than You
6. Slither
7. Carpe Diem Baby
8. Bad Seed
9. Where the Wild Things Are
10. Prince Charming
11. Low Man's Lyric
12. Attitude
13. Fixxxer
S&M 1999

な、な、なんと、Metallicaとオーケストラとの競演!貪欲なまでに、新たなる道を突き進む其の姿勢にまずは拍手です。  メタルバンドとオーケストラとのジョイントは過去にも多々ありますが・・・これの凄いところは、MetallicaはいつものMetallicaなのです。曲をオーケストラ用にアレンジなんかせずに、
いつものプレイに徹しているところが、いやはやなんとも凄まじい!例えるなら、メタリカVSオーケストラの火花散る戦い!問答無用のガチンコ勝負!とでも、いいましょうか・・そこには、まぎれもなく熱狂、緊張感が存在しているのであります。ライブが進行するにつれ、普段は、紳士・淑女を相手にしている楽団の面々が次第に熱くなっていく様子が目に浮かびます。そうさせてしまうメタリカ・・・やはり恐るべし・・・

おなじみのS,Eの@・・(今回は生演奏!)に続いての1−Aには、驚きと感動です。おそらくここ15年以上はライブではお目にかからなかった2NDアルバム収録のインスト!もともと、様式を意識した曲だけに最高の出来!!1-Dも意外な選曲・・あのひきずるような重さが気持ちよい!あとは、おなじみの曲がずらりと並びますが、注目は新曲(CD1-GとCD2-C)!この企画ライブで新曲をお披露目してしまうとは・・・オーケストラなしのニューアルバムでどのような形でレコーディングされるのか、また楽しみであります!

そして、ハイライトはなんといっても・・2-G「One」!!絶対聴くべし!!ただでさえ、展開重視の感動的な曲がオーケストラの力を借りて、更にパワーアップしてます。なんか、映画のサントラを聴いているかのような感動・・・繊細な一つ一つの音がモノクロの映像となって頭の中に投影されるかのような感動がそこにありますよ。もう一回、あの「ジョニーは戦場へ行った・・」のVIDEOクリップを再編集して、このバージョンを使えば・・アカデミー賞・最優秀ショートシネマ音楽賞は確実だ!(そんな賞はないか・・・)

しかし・・ま〜なんですな〜・・・一夜限りのライブにもかかわらず、このいいようのない完成度、そして緊張感は一体・・・・正直言って、ちょっと
強引にも思えるアレンジもあるのは確か(特にスピードナンバー)ですが、逆にグルーブを意識したミドルテンポの曲は、圧倒的な音圧をもって迫ってきます。これには、我々はただただ平伏するしかないでしょ!!

Disc. 1
1. The Ecstacy Of Gold
2. The Call Of Ktulu★★
3. Master Of Puppets
4. Of Wolf And Man
5.
The Thing That Should Not Be
6. Fuel
7. The Memory Remains★★
8. No Leaf Clover
9. Hero Of The Day
10. Devil's Dance
11. Bleeding Me

Disc. 2
1. Nothing Else Matters
2. Until It Sleeps
3. For Whom Bell Tolls★★
4. - Human
5. Whereever I May Roam
6. Outlaw Torn
7. Sad But True★★
8. One★★
9 Enter Sandman
10. Battery

St. Anger 2003

ジェイソンの脱退、メンバー間の確執、ジェイムズの個人的問題・・・・一時は解散か〜?とまで言われた彼らが、「うおりゃあ〜!!」とばかりに気合一発世に送り出した「必殺アルバム」(笑)

ポンポコ言ってるスネアの音・・・練れてない楽曲・・・荒い演奏・・・一歩間違えればごみ扱いされてしまいそうな内容ですが(苦笑)、
メタリカがこの時期にあえてこれを出した!って考えると、「凄いアルバム」となってしまうからあら不思議(笑)

一部には、昔に戻った・・なんて意見もあるようですが、今までのメタリカのアルバムどれにも似てないです。スラッシーなリズム、激しいリフチェンジ・・という言葉だけ並べればそうなるのかもしれませんが、やはりこれはメタリカの新しい方向性なんでしょうね!正直、とおしで全部聴くのはきついけど、このアルバムに内包されたとてつもないパワーは充分に伝わってきます。その精神性に関して言えば、スラッシュ黎明期に感じたあの興奮に通じるものがあるんですよね。

でも・・・ロブが初参加する次のアルバムこそが本当の勝負かもしれないっすね!今度はこの音は通じないぜよ〜。

追伸・・このアルバムでのジェイムズのVoは、史上最強!!いっちゃってます(笑)
1. Frantic★★
2. St. Anger★★
3. Some Kind of Monster
4. Dirty Window★★
5. Invisible Kid
6. My World
7. Shoot Me Again
8. Sweet Amber
9. Unnamed Feeling
10. Purify
11. All Within My Hands
Death Magnetic 2008

今まで色んな意味でその時代のシーンを作り上げてきたメタリカ・・今回は奇しくも時代に乗っかったといえなくもない9thアルバムです(笑)当然大歓迎っすよ!奴らがへブィ〜メタルに帰ってきたんですから!やけくそ気味としか思えなかった前作とは対照的に作りこまれてきた今作・・変幻自在なリフの嵐に襲われるこの感覚こそまさにメタル!もちろん、ジェイムスの歌いまわしなんかはブラックアルバム以降のスタイルを踏襲しておりますが、コンセプトは間違いなく80’sメタリカ!なんといってもレギュラーチューニングに戻したのが最大のポイントなのでは??リフの切れ味が抜群っす!世のスラッシュバンドよ!!ダウンチューニングはやめなさい(爆)

しかし・・異常に疲れるアルバムでもあります(苦笑)

曲が長いのよ・・・(-_-;)

曲が長いのは昔もそうですが、リフが詰め込まれすぎ!2ndや3rdにあった叙情性・・というかドラマ性がないせいなのか、物凄く窮屈に感じてしまう・・・。リフの嵐が、過剰な疲労となってのしかかってくるのは如何?

そういう意味ではラックに眠り続ける危険性も秘めた作品ではありますね(;-д-)
1. That Was Just Your Life★★
2. The End Of The Line
3. Broken, Beat & Scarred
4.
The Day That Never Comes
5. All Nightmare Long
6. Cyanide
7. The Unforgiven III
8. The Judas Kiss
9. Suicide & Redemption
10. My Apocalypse★★