Killing Technology 1987

VOIVODにとっての3枚目のアルバム。1.2作は問答無用の泣く子も黙るスラッシュバンドでしたが、このアルバムから・・徐々に独特のVoiVodワールドに磨きがかかってきましたね。いわゆるプログレへのアプローチが見え隠れしてます。
もちろん、その音は限りなく暴力的なのですが、起伏の激しいリズムの展開・・不思議な音階を駆使しまくるギターのピギーのプレイによって、他のスラッシュバンドとは違う孤高の世界に存在させる事となったアルバム・・ともいえるのではないでしょうか。

ただ、そのプログレアプローチが・・もっとあからさまにに現れてくるのは、まだ後の作品・・。まだ、暴走スラッシュ路線に未練があるのか(笑)、この音はやっぱりスラッシュメタルです。Voも吠えまくってますし・・・ただ、その微妙な未練がましさが、危なっかしくて魅力的なんですよ。もちろん、演奏のクオリティは申し分ないのですよ。生粋のスラッシュファンも、まだこの作品には付いていける事だと思います(笑)

ジャケットデザインから想像できるように、かなり危険なメタリックな音です。そこには、人間味という暖かいものは一切存在していません。ひたすら
冷たい世界が襲い掛かってきますよ〜〜。

1. Killing Technology★★
2. Overreaction
3. Tornado
4. Too Scared o scream
5. Forgotton In Space
6. Revenous Medicine★★
7. Order Of The Blackguards
8. This Is Not an Exercise
9. Cockroaches

Nothing Face 1989

5作目。ついに、彼らがスラッシュという看板を自らかなぐり捨てた作品ともいえますね。以前から、そのプログレ傾向は自他ともに認めるものでしたが、この作品でほぼ完成したのかもしれません。Cのピンクフロイドのカバーでもそれがわかります。でも、VoiVodとして、その不気味な・・アルバム全体を覆う冷たさ・・・緊張感は、いささかも後退していません。いや、さらにその独特の世界は研ぎ澄まされてます。

荒れ狂うかのような、暴走路線が完全になくなった代わりに、その曲展開はさらに高度に複雑化し・・・Voも抑揚を抑え、歌を意識するようになってきました。だからといって、誰でも受け付けてくれる音楽ではないですけど・・・

このアルバム・・一言で言うなら・・ギターが冴えまくってます!!ジャズコードを駆使した、その不思議な音階は以前からおなじみだったのですが、ここでは・・暴走路線が押さえられている為に、さらに強調されているような気がします。
しかし・・VoiVodの凄いところは、
他に似ているバンドが一つもない!!って事。まさに孤高の存在なのよ。それが逆に、メジャーになりきれない要因なのかもしれないですよね。もっとも、メジャーな音には程遠いサウンドです・・・ファンが彼らについていけてないのかもしれませんね〜〜。

最後に一言・・・Aは名曲だ〜〜〜〜!!!かっこよすぎるぞ〜〜

1. Intro
2. The Unknown Knows★★
3. Nothingface
4. Astronomy Domine
5. Missing Sequences
6. X-Ray
7. Inner Combustion
8. Pre-Ignition
9. Into My Hypercube★★
10. Sub-Effect

Angel Rat 1991

ど・・どうしたんだ!VOIVOD!!なんだ、このストレートな音は・・・・。前作までの流れから行って当然、ダークなプログレ路線に磨きがかかっていると思ったのに・・・。レコード会社の意向なのか、どの曲もコンパクトでポップ(?)う〜〜〜わからん・・・ってな具合に悩み苦しんだファンはいっぱいいたはず・・・

でも・・・冷静になってよくよく聴いてみると・・・ある意味、VOIVOD的サウンドかもしれない・・・と思うようになってきた(笑)ポップといっても、BONJOVI的なサウンドになるはずはない訳で、スネイクが歌うかぎりは・・ピギーがギターを弾く限りは・・その変な(?)ポップさに、麻薬的な魅力を感じてしまうのです。レコード会社の圧力があったのかどうか走りませんが、ポップでストレートなサウンドといっても、一筋縄でないところが、おもしろい!

すんません・・・このアルバムをどう評価していいか・・わかりません(汗)ほんと不思議な存在感を持ったアルバムです。でも、こういうアルバムをも作ってしまうVOIVODって・・凄いかも・・・・・いつのまにか、上の星印もいっぱいになってるし(笑)コレを傑作と言う人もきっといるだろうな〜〜。

Aは、素直にかっこいいハードロックチューンですよ!!

1. Shortwave Intro
2. Panorama★★
3. Clouds In My House
4. The Prow★★
5. Best Regards★★
6. Twin Dummy★★
7. Angel Rat
8. Golem
9. The Outcast
10. Nuage Fractal
11. Freedom
12. None Of The Above

The Outer Limits 1993

7枚目のアルバムです。前作で我々をビックリさせてくれましたが今作では再びプログレサウンドに回帰してます。ただ、そのメロディ重視傾向は前作の流れをひきついでおり、そしてピンク・フロイドやラッシュといったプログレバンドに影響をうけた複雑なサウンドとの高水準の融合によって、この唯一無比の傑作を生み出してくれました!!変幻自在のリズム隊とギター、そして抑揚を抑えたメロディックなボーカルが脅威の緊張感を作り出しています。

中でも、ギターのピギーのギタープレーはそのリフ一発で彼のものとわかる強烈な個性があり、これがVOIVODのすべてであるといっても過言ではありません。 矛盾した表現かもしれませんが、気持ちのいい不協和音を奏でる彼のプレーはもっと評価されて然るべき!!

このアルバムはジャケットが表すように宇宙がコンセプトの様で、その音もスペーシー!このアルバム・・もっと万人に認められてもいいのに・・・
他のアルバムもおすすめですが、この「THE OUTER LIMITS」が完成度も高く、わりあい聴きやすいかもしれません。MORE VIOLENCEを求める方は昔の作品へとさかのぼるしかないのですが。
また、このCDには3Dメガネがついていて、それでジャケットを見ると立体画像になるのよ〜〜(笑)

1. Fix My Heart★★
2. Moonbeam Rider★★
3. Le Point Noir★★
4. The Nile Song
5. The Lost Machine
6. Time Warp
7. Jack Luminous
8. Wrong-Way Street
9. We Are Not Alone
★★